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COLUMN

Vol.22018.09.07

ゴルフへの探究心が強く努力家
専任レップが語る石川遼

スペシャルコラムでは、石川 遼に親しい関係者が素顔の石川 遼を語ります。
第二回は、石川 遼のツアーレップを担当するキャロウェイゴルフ株式会社の島田研二さん。長い時間を共にする島田さんだからこそ分かる、石川 遼の素顔を語ってもらいました。

調子に関係なく気遣いを忘れない

ツアーレップとはツアー選手からの要望を聞いてクラブの調整や交換をしたりする仕事です。
基本的なクラブの組み立てから、選手の意見から感覚を汲み取り、その選手に合わせたクラブの調整もしています。言われた通りに作るのが第一ですが、「これを使えば、もっと良いゴルフができる」と思った際には、こちらから提案をすることも少なくはありません。その為にはプロとのコミュニケーションが大切。どんな的確なアドバイスでも、いま何を考え、どんなゴルフを理想としているのか。選手の方向性と一致していなければ望む結果が得られませんから。決して友達になるわけではありませんが、ビジネスライクなドライな関係では成り立たない。選手の勝利の為、ベストを追い求めています。  プロ選手の中でも、とにかく周りに気を遣うのが石川選手の特徴です。キャロウェイとの契約当初から石川選手専任のレップとして米ツアーにも帯同してきましたが、どんな時も僕らスタッフを気遣ってくれるんです。当然のことですが、ゴルフの調子が良ければ会話が弾む一方で、調子が悪ければ言葉は少なくなるのがゴルファーです。そんな中でも石川選手は、こちらの思いを察して「そんなに気を遣わなくても大丈夫」と接してくれる。家族よりも長い時間を共にする時期もありましたが、ツアーレップとしての立ち位置を理解してくれているようで、理想的な関係が築けています。

研ぎ澄まされた感覚の持ち主

クラブを頻繁に替える方ではない石川選手は、ギアへのこだわりも強いです。例えば、新しいドライバーが出来上がり、データ上は飛距離が伸びてフィーリングも良かったとしても、すぐにスイッチすることはありません。練習ラウンドで入念にチェックして、自信をつけてからじゃないと試合には使わないんです。だから気に入ったクラブは手放せなくなる傾向があります。多くのツアー選手は、溝がガタガタになる前(1〜2ヶ月)にウェッジをリフレッシュしますが、彼は4ヶ月替えない時もあります。また、代替品が手に馴染むまでにも、1ヶ月程度の時間をかけて、フィーリングを確かめるようにチェックしています。

プロの中でもトップレベルの繊細な感覚を持っていると感じさせるエピソードがあります。
ひとつはウェッジの重さやライ、ロフトの僅かな違いを感じ取ること。もちろん選手にクラブを手渡す時には、これまで使っていたものと全く同じクラブを作るわけですが、調整を繰り返す過程ではコンマ何度の僅かなズレや、1g以下の誤差が出ることがあります。そんな違いを数球打っただけで正確に指摘するんです。

グリップ交換も私が作業をしていますが、ある時他のスタッフに任せたら、「これ島田さん入れましたか」って。同じ下巻きの巻方で同じ環境で作業しているのに、何かが違うと感じ取る。プロでも稀な常人離れした感覚を持っているんです。

ゴルフには常に全力で挑む

2014年の「ファーマーズインシュランスオープン」で、優勝争いしたのが今でも印象に残っています。絶好調のゴルフで、3日目を終えてトップタイ。米ツアー初優勝がかかった最終日を前に、どんな風に接すればいいか、僕らが緊張していましたが、試合後はすごくリラックスしていました。今思うと、気遣う僕らを見越していたんだと思います。

一方で、試合となると別の顔を見ることができます。会場に入り試合モードのスイッチが入れば、簡単には声をかけられない雰囲気に。それがどの試合でも、どんな状況でも同じなのが石川選手の凄さ。ゴルフはミスがつきもの、思い通りにいかないことが続けば、気持ちが萎えて集中力が落ちるのが人間ですが、彼は一切ありません。練習もいつも最後の一人になるまでやっている、それでいてファンサービスも怠らない。ゴルフに対しては妥協しない、プロとしてのプライドを感じます。

チャレンジし続ける彼をこれからもサポートしたい

日本ツアーの復帰と共に、選手会長に就任。ツアー活性化へ向けて、中心となって全力で取り組んでいます。でも個人的には、「頑張り過ぎないで」って声をかけたいです。声をかけたところで、聞く耳を持たないと思いますが(笑)。それほど、ゴルフに対しては真摯に向き合っている。いつも自分のスイングが頭にあり、どうすればゴルフが上手くなるかを考えています。たとえ優勝しても、次の試合では、もっと強くなって勝利するんだというくらい、現状に満足することはないんだと思います。そんな常に挑戦している姿は格好良く、彼に似合っているとも思います。「世界で勝つ」ために、ひたむきに頑張る石川選手を、今後もサポートしていきたいと思っています。夢に向かって突き進み、周りもその気にさせる。いつもゴルフばかり考えているナイスガイです。

島田 研二
島田 研二/キャロウェイゴルフ株式会社 シニア ツアー レプレゼンタティブ スポーツマーケティング

2000年に入社。クラブ修理、営業、フィッティング部門を歴任し、2009年よりプロツアー担当へ。国内女子ツアー、男子パターを経て、2013年の石川遼契約時から専任担当に。

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