遼 Watch!

Vol.102018.09.21

体調不良から約1カ月ぶりの復帰を果たした一戦をwatch!

8月終わりの「RIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメント」で7位タイに入った石川遼。しかし、その際に見舞われた熱中症と、その後のウィルス性腸炎により、続く「フジサンケイクラシック」では欠場を余儀なくされました。
さらにその翌週の「ISPSハンダマッチプレー選手権」は、7月に行われた1回戦ですでに敗北していたために、石川にとってはオープンウィークとなり、「ANAオープン」は北海道胆振東部地震の影響で中止。今回の「アジアパシフィック ダイヤモンドカップ」は、約1か月ぶりの実戦復帰の場となりました。

ただし、1カ月という時間があったとはいえ、石川の状態はまだまだ完全ではありませんでした。お粥などしか食べられない日が続いたために、一時は5kgも体重が減り、体力的に、「不安は少しある」という状態。
実際、石川は初日のホールアウト後、「全然ダメですね」とこぼしました。プレーをしていても、「自分のイメージと体の動きが違うのかなと思う」という感覚で、出だしの10番でいきなりボギーとするなど、計4つのボギーを献上。バーディはパー5の11番と7番の2つに留まり、2オーバーの82位という出遅れとなりました。
なかでも体力の低下は著しいようで、この日のパーオン率55.56%は、「球に力が伝わっていないような飛び方だった」ことが大きく影響しました。
「前と同じ飛距離を出そうとして、腕の力で打つなど、細かいところからズレている。元に戻すというのは、けっこう難しいと思う。もう一回作り直さないといけないかな、という感じ」

気温が20度を下回り、雨の中でのラウンドとなった2日目。下はレインウェアながら、上はポロシャツという装いの選手が多いなか、石川は上下にレインウェアを着込んでのプレーとなり、こんなところにも体が万全でないことが見て取れるようでした。本人が、「今日はアイアンもピンに行った場面があったし、内容的には昨日より良くなっている。初日はフワフワする感じがあったのかもしれない。そこらへんはプラスで終われた」と前向きに語ったように、パーオン率は66.67%に上昇し、全体の12位タイ。
しかし、この日はとくにグリーン上で、体力の低下から集中力も少し奪われているように映りました。6番でバーディを奪ったあとの7番では、4mほどのチャンスでバーディパットがあと一伸び足りず、9番では2m強のパーパットが決められずに3パット。この日は前日よりも2打多い32パットで、3バーディ、6ボギーの3オーバー。カットラインに3打足りない5オーバーで予選落ちとなり、苦い復帰戦となってしまいました。
石川にとって今大会は、「RIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメント」に続いて、体が一番大事な資本であることを痛感させられた一戦となったようです。

「体調不良で試合を休むというのはこれまであんまりなかった。何カ月か遅れてしまったという感じです」
しかし、誰の時間も同じ早さで過ぎていきます。一気に取り戻そうといった考えは禁物です。
「時間がかかるということは受け止めないといけない。毎日やっていって、練習やラウンドを繰り返していくしかない」

今大会終了後の翌朝には、海の向こうから、「タイガー・ウッズ、5年ぶりの復活優勝」というビッグニュースが飛び込んできましたが、これもきっと、石川には大きな教訓となり、励みにもなったことでしょう。ウッズは何度も復帰しては、棄権やツアー離脱を繰り返した後、今年に入って本格復帰。徐々に成績を上げていって、シーズン最後にようやく優勝を掴みとりました。何事も一足飛びには進まないという、いい例と言えます。
次週は、2009年の優勝を始めとして、4度のトップ10を記録している相性のいい「トップ杯東海クラシック」。石川は、どんな前進を見せてくれるでしょうか。