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PROJECT STORY_1 社員対談×FROGMAN

海難救助隊の
要求を満たせ。
真のプロユースモデルを
作り上げる。

G-SHOCKの人気モデルの一つ、FROGMAN(フロッグマン)。
1993年に、ISO規格である200m潜水用防水を採用した
ダイバーズウオッチとして登場した。
先代から7年の時を得て、
2016年に誕生した新生モデルは、その第六代目となる。
水深計を初めて取り入れるなど、
完全なる「プロ仕様」にフルモデルチェンジされた。
開発期間はおよそ3年。
「実用に耐えうること」を目標に水難救助隊の
プロダイバーたちに徹底的にヒアリングを重ねたのだった。
現場における真のニーズを理解するため、
モジュールに関わる開発チーム全員が国家資格の「潜水士」を取ったほど、
実用に向けて妥協しない姿勢を見せた。
満を持して市場に送り出されたニューフロッグマンは、
水難救助隊の整備品になると共に、
ファンやコレクターたちにも受け入れられ、大きな反響を呼んでいる。

  • S.S.

    1998年入社 時計事業部 商品企画部 第一企画室

    Baby-Gのモジュール企画を3年間担当した後、一般時計のメタルアナログ商品企画全般を約8年にわたり手がけ、主にEDIFICEブランドの売上拡大に貢献した。その後、G-SHOCKブランドの商品企画に携わり、現在に至る。

  • U.K.

    1995年入社 時計事業部 モジュール開発部 モジュール企画室 チーフ・エンジニア

    時計の「エンジン」であるモジュールの企画を担う。特に、センサが搭載されたモジュールを担当分野としている。

  • Y.S.

    2002年入社 時計事業部 モジュール開発部 第一開発室

    入社後の約6年間はソフト設計に従事。その後、各種センサの開発に携わっている。

  • M.T.

    1997年入社 時計事業部 モジュール開発部 第二開発室

    時計の機能全般、操作や表示に関わるユーザーインターフェース部の開発に携わっている。

  • O.T.

    2012年度 時計事業部 モジュール開発部 第二開発室 ソフトG

    開発担当として、仕様の決定からソフトウェアの開発と実装を担当している。

プロダイバーたちの声が、
ニューモデルの企画を生んだ。

S.S.: 壊れないというG-SHOCKの特性に、プロのニーズに応えた機能・性能を加えたのがMASTER OF G。その中で、フロッグマンはISOのダイバー時計規格を満たし、かつ初めてキャラクター性を持たせことでファンの興味を強く引き付けてきました。

U.K.: 今回のニューモデルは水難救助隊のプロダイバーたちのニーズを聞くことで、企画が立ち上がっています。プロの方たちがどんな機能を求めているか、改めて知ることがすべての始まりだったと言えます。

Y.S.: 多くの場合、新たな企画は、現状の機能のどこを変えるか、進化させるか、というところから始まります。その意味で、今回は非常に特殊なケースでしたが、真の意味でニーズを形にできたと実感できます。

S.S.: 実は以前までのモデルは、ダイバーズウオッチとうたってはいるものの、あくまでコレクター向けというか、海の中で本当に使えるかということについて疑問符が付いていました。「陸(おか)にいるダイバーの時計」だったのです。

U.K.: 2016年に出されたモデルはこれまでの「ダイバーズウオッチのような」という点を刷新し、実用性を徹底追求しました。ダイバーにヒアリングを重ね、実際に使用していただくことも、当然行っています。最終的に、水深計、方位計を組み込みました。水に潜れば自動で必要な計測を始め、しかも、一目見てわかる作りにしたのです。

S.S.: G-SHOCKの中でも現時点で最高の製品の一つだと自負しています。

トリプルセンサー for FROGMAN

プロ仕様が「商品」として通用するのか、
大きな課題が立ちはだかる。

U.K.: 商品に自信は持っていますが、市場に出るまでの道のりは決して平たんではありませんでした。高価格帯の商品、トレンドとは逆を行くデジタル時計など、ユーザーのニーズを本当にとらえているのかということで、なかなか開発のゴーサインがでなかったのです。

S.S.: フロッグマンはプロ仕様とはいえ、一般の市場に売り出されます。ハイスペックな為、価格が上がってしまいますが、果たしてそれは一般ユーザーが欲しがるものなのか。「商品」としての価値はあるのか。何度も議論を重ねました。

O.T.: 私たちは「この時計を作りたい」という思いを強く持っていました。水難救助隊のプロダイバーのニーズをきちんとした形にして作り上げたい。そんな思いが、社内や、開発に協力をいただくメーカーの方を動かしたと思っています。

Y.S.: 開発段階に入ってからも、スムーズに進んだ、などということはほとんどなかったでしょう。「これでいいのか」と、立ち止まって考える場面は何度もありました。

M.T.: 技術的にも常に高いレベルを要求されました。というのも、フロッグマンは、命を預かる時計という側面があるからです。水深計や方位計がプログラム通り動かなかったらどうなるか。万が一のことがあってはいけないのです。開発にこれほどの責任感と緊張感を感じたことはかつてなかったかもしれません。

O.T.: プロダイバーのニーズを把握することには苦労しました。レジャーダイビングのライセンスを持っていますが、それでも、レジャーで楽しむ立場と、人命救助を行うのとでは、求めるものが違っている点があった為です。

実際に取得した潜水士ライセンス

モジュールに関わる開発者全員が国家資格「潜水士」を取得、
ダイバーたちの真のニーズをつかむ。

S.S.: 今回のプロジェクトでは、期間中にモジュールに関わる開発チーム全員が国家資格の潜水士を取得しています。

Y.S.: もともとは、山向けの時計開発時に山でテストするのと同様に、潜ってテストしてみようというつもりで資格を取ったのです。ただ、安全面などの問題で、自分達で潜って試作品を使うことはできませんでした。

U.K.: 一方で、ダイバーの方たちと高いレベルで話ができるようになったのは事実です。取得以前は、ニーズを表面的に受け取っていたに過ぎなかったでしょう。

S.S.: 言われたことをただそのまま受け取っていましたが、潜水士の資格を取得することで、ニーズの裏側にある、「本当に必要なこと」が見えてきたのです。対等とまでは言いませんが、同じ目線で物事をとらえることができるようになったという感触がありました。

Y.S.: より的確に、ダイバーの声を開発に活かせるようになったのです。

O.T.: 全員が潜水士の資格を取得したということは非常に印象深い出来事です。

M.T.: 普通はここまでしません。他の時計メーカーの方々や販売店の方からも、ものづくりの姿勢について、たくさんお褒めの言葉を頂きました。今回のプロジェクトは、いくつもの前例を打ち破っています。いろいろな意味で特別だったと言えるでしょう。

ディテールクオリティ

次はもっと良くなる、
もっと良くしたい、という飽くなき思い。

O.T.: G-SHOCKという看板モデルを手がけられたのは大きな喜びです。

Y.S.: プロダイバーの要求をすべて満たし、フロッグマンは世に送り出されます。市場の評価は高く、G-SHOCKの従来のファンの間でも話題になっています。水難救助隊が装備品として導入しているという話も聞きました。

M.T.: 現時点では、出来ることは全てやり尽くしました。ただし、ダイバーにとって、まだまだ改善の余地はあると思っています。次のFROGMANのバージョンアップもまたこの5人のチームで製作したいですね。

U.K.: 本音では、まだまだ改善したい部分が残っています。良いものはできた。しかし、100点満点ではない。次はもっと良いものを作れるという思いがあります。特に技術者は、現状でいいという発想はあまりしません。改善点を見つけ、次に活かそうとするのです。

S.S.: プロジェクトに関わった全員が、これ以上ないくらいの最高パフォーマンスを発揮しました。これは間違いのないことです。しかし、一方で、現状で満足していいということではありません。当社には創造と貢献という理念があります。次回もまた新しい創造と、ユーザーへの貢献を果たしたと思います。

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